Spincoaster Music Bar

 

音楽キュレーションメディア「Spincoaster」による、ハイレゾ音源とアナログレコードを高音質で楽しむことができるミュージックバー。

話題の「ハイレゾ」と近年盛り上がりを見せている「アナログレコード」にこだわったコンセプト型のバーである。
入居前のテナントは、数年前までジャズバーが営業しており、閉店後そのまま長期間放置された状況であった。マンションの一階の奥まった位置にあるこのテナントに訪れたとき、タイムスリップしたような感覚と、地上であるはずなのに、地下にいるような感覚を受けた。今回の計画には、扉を挟んでまったく違う場所に来たような、その印象を継承したいと考えた。雑居ビルの奥に、地下の音楽倉庫、音楽工場のような場所がひっそりと存在し、音楽を愛する人々が集う。そのイメージを作るために、主に倉庫や工場で利用される調湿性、吸音性を持った木毛セメント板や、荒々しいスチールやコンクリートブロックを仕上げとしてそのまま表現した。「地下」「倉庫」「工場」のイメージを作るための構造を明確にし選択を繰り返すことで、全ての要素に一貫性のある計画になっている。

 

夜間はバーでありながら、昼間の時間帯は音楽関係者をターゲットにしたコワーキングスペースとして運営する事業計画があり、両極端の運営に耐えられるよう、テーブルや椅子、照明や電源について、寸法や素材等を考慮している。

また資金調達の方法として、クラウドファンディングを利用し、200万円の資金調達に成功している。新規の店舗を計画する場合、通常は施主の要望を中心に計画するが、このミュージックバーに期待する多くの出資者の期待に対して意識が向き、より具体的にエンドユーザ-のふるまいをイメージすることができたことは新しい発見であった。

 

webという情報空間でメディアを扱う企業がリアルな場を求めるということが、常に物理空間を相手にしている私にとって新鮮であり、熱量を持って設計を進めることができる要因になった。
Spincoasterのコンセプト「心が震える音楽との出会い」のある場として、この場所から新たな関係性が生まれることを期待する。

スピンコースター ミュージックバー

​株式会社 Spincoaster

東京都渋谷区
飲食店(ミュージックバー)
竣工 2015年3月

設計 CANOMA 横山信介
家具 (株)堀船店装 (有)フィール

Spincoaster Music Bar

Location:Shibuya Tokyo

Open: March.2015

http://bar.spincoaster.com